鳥取大学研究シーズ集
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医療・健康
染色体工学技術によるヒト化薬物代謝モデル動物の開発
研究者
香月康宏 (染色体工学研究センター バイオモデル動物開発部門 准教授)
キーワード
薬物代謝、種差、ヒト化動物、人工染色体、ゲノム編集
概要
実験動物とヒトでは薬物代謝酵素の特性に種差があることから、薬物代謝関連遺伝子に関するヒト化動物がヒト特異的な薬物代謝や安全性を予測する上で重要な役割を果たす。一方、薬物代謝関連遺伝子は多くが巨大な遺伝子クラスターとして存在するため、従来技術では一部の遺伝子しか導入できないという問題点があった。我々はこの課題を克服するために、Mbサイズの遺伝子・複数の遺伝子が制限なく搭載可能な人工染色体ベクターの開発を試みてきた。上述の薬物代謝関連ヒト遺伝子群を人工染色体ベクターに搭載し、ヒトの薬物代謝反応を示すモデル動物の開発に成功した。ヒト化モデル動物は新薬開発のスクリーニングツールとなることが期待される。
概要図
優位性(従来・競合技術との比較)
我々がこれまで開発してきた人工染色体ベクターの特徴は、以下の4つが挙げられる。
・全ての遺伝子を取り除いてあり、新たな任意の遺伝子を搭載できる、
・宿主染色体に挿入されず独立して維持され、マウスおよびラットで子孫伝達ができる、
・マウス・ラットを含む哺乳類細胞において一定のコピー数で長期間安定に保持される、
・導入可能なDNAの長さの制限がない
応用分野
・遺伝子・細胞治療
・ 医薬品の機能性・安全性評価
・ 機能性タンパク質の生産性向上
・ 疾患モデル動物の開発
・ ヒト化モデル動物の開発
関連特許
・発明の名称:マウス人工染色体ベクター;特許出願人:国立大学法人鳥取大学、株式会社chromocenter;発明者:押村光雄、香月康宏、滝口正人、松岡隆之;特許第5557217号(登録日2014/06/13)
・発明の名称:内在遺伝子を含まないヒト人工染色体ベクター;特許出願人:国立大学法人鳥取大学、株式会社chromocenter;発明者:押村光雄、香月康宏、松岡隆之;特許第4895100号(登録日2012/01/06)
関連論文
・Kazuki Y, Kobayashi K, Aueviriyavit S, Oshima T, Kuroiwa Y, Tsukazaki Y, Senda N, Kawakami H, Ohtsuki S, Abe S, Takiguchi M, Hoshiya H, Kajitani N, Takehara S, Kubo K, Terasaki T, Chiba K, Tomizuka K, Oshimura M. (2013 Feb) Trans-chromosomic mice containing a human CYP3A cluster for prediction of xenobiotic metabolism in humans. Hum Mol Genet. 22(3):578-92. doi: 10.1093/hmg/dds468.
その他の関連研究内容
染色体工学技術により、がん関連遺伝子・ゲノムインプリンティング関連遺伝子の単離や遺伝子機能解析、ダウン症候群モデル動物の開発、ヒト抗体産生ラットの開発、筋ジストロフィーの遺伝子治療法に向けた基盤研究、などを行っている。
保有研究装置
染色体解析システム(Zeiss)
参考資料ダウンロード
シーズPDF
参考URL
研究者詳細
共同研究先への要望
薬物代謝酵素ならびにその他の遺伝子に関するヒト化マウス作製のご要望があれば共同研究で作製可能であり、これまでに作製できているヒト化薬物代謝モデル動物や疾患モデル動物については創薬研究にご利用いただけます。
担当CD
産学・地域連携推進機構 コーディネーター  坂下 誠司
連絡先
E-MAIL:sakashita@cjrd.tottori-u.ac.jp 電話:0859-38-6484
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