鳥取大学研究シーズ集
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アグリ・バイオ
キチン・キトサンナノファイバーを利用した小麦粉製品の生地強度を高める技術
研究者
上中弘典(農学部 生物資源環境学科 准教授)、田中裕之(農学部 生物資源環境学科 准教授)、伊福伸介(工学研究科 化学・生物応用工学専攻 准教授)
キーワード
食品、小麦粉製品、生地強度、機能性食品、キチン・キトサンナノファイバー
概要
小麦は、主に生地の強さによって、パン、めん、菓子など他の食材に類を見ないほど多様に加工される。キチンおよびその誘導体であるキトサンは、増粘剤としての特性や食物繊維などの機能性、およびその安全性から食品への応用が進められている。我々はナノファイバー化したキチン・キトサンの添加により、小麦粉の生地の強さを劇的に強化できる効果を見いだした。また製パン工程での添加により、小麦粉の使用量を減らした場合でも減らさない場合と同程度の大きさのパンを作成可能であることも見いだした。本技術は生地の膨らみや堅さ、食感などの改良・改質を目的に、パンだけでなく様々な小麦粉製品や生地強度決定の主要因であるグルテンの含有食品に利用・応用可能であると期待される。またキチン・キトサンナノファイバーはダイエット効果などの生理機能をもつことから、本技術を利用することで健康分野を対象に様々な小麦粉、もしくはグルテンを利用した機能性食品を創出することが可能である。
概要図
優位性(従来・競合技術との比較)
<生体機能性天然物質キチン、キトサンの利用>
@ カニ、エビ殻などから得られるキチンは膨大な資源量を誇るバイオマスであるため安定的に供給することができる。
A キチン・キトサンはすでに医薬品、食品などの幅広い分野で利用されており、人体および環境への安全性が高い。
<キチン・キトサンナノファイバーの調製・効果>
@キチン・キトサンナノファイバーは、独自に簡単、迅速かつ低コストで大量に生産する調製法を確立しており、事業化による大量供給も可能である。
A水に不溶なキチン・キトサンはナノファイバー化することで水に分散可能になるため、混合や成形などの加工性が格段に向上している。また、水中で分散させることで、キトサンがもつ問題である強いえぐ味と酸性溶液添加を解決できる。
Bキチン・キトサンナノファイバーには、キチン・キトサンでは全く見られない小麦粉含有生地の強度を飛躍的に高める効果がある。セルロースナノファイバーでも同様の効果を検証済みである。
応用分野
・食品分野:小麦粉製品全般(パン、麺、菓子、天ぷら等)、グルテン含有食品など
・健康分野:減カロリーとダイエット効果を併せもった機能性食品、減グルテン食品など
関連特許
・キチンナノファイバーの製造方法、キチンナノファイバーを含む複合材料および塗料組成物、ならびにキトサンナノファイバーの製造方法(特許第5186694号)
・バイオナノファイバーにより穀物粉生地強度を高める技術(特開2016-027795)
関連論文
・田中裕之、江草真由美、竹村圭弘、岩田侑香里、永江知音、伊福伸介、上中弘典:(2016) キチンナノファイバー添加小麦粉による製パン性の向上, 日本食品科学工学会誌, 63, 18-24
・伊福伸介、阿部賢太郎、上中弘典 :(2016) キチンナノファイバーの製造と応用開発「キチン・キトサンの最新科学技術 ―機能性ファイバーと先端医療材料―」、ISBN978-4-7655-0399-0、pp 125-139、 日本キチン・キトサン学会 編、技報堂出版
・Ifuku S. and Saimoto H. (2012). Chitin nanofibers: preparations, modifications, and applications. Nanoscale, 4, 3308-3318.
その他の関連研究内容
・新規素材キチン・キトサンナノファイバーを利用した作物病害防除資材の開発
参考資料ダウンロード
シーズPDF
食品開発展プレゼン資料
鳥取大学ビジネス交流会配布資料
参考URL
マリンナノファイバーHP
上中弘典-研究者詳細
伊福伸介-研究者詳細
共同研究先への要望
実用化研究を一緒に進めることのできる企業との連携を希望します。
担当CD
産学・地域連携推進機構 准教授  山岸 大輔
連絡先
E-MAIL:yamagishi@cjrd.tottori-u.ac.jp 電話:0859-38-6496
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