鳥取大学研究シーズ集
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アグリ・バイオ
新規素材キチン・キトサンナノファイバーを利用した作物病害防除資材の開発
研究者
上中 弘典(農学部 生物資源環境学科 准教授)、伊福 伸介(工学研究科 化学・生物応用工学専攻 准教授)
キーワード
農業、植物病原菌、抗菌性、誘導抵抗性、キチン・キトサンナノファイバー
概要
キチンおよびその誘導体であるキトサンは、高い生体適合性、生分解性を備えた天然素材である。特にキトサンは一部の菌類に対する抗菌作用が認められており、新たな天然性農薬あるいは農業資材としての開発が期待されている。しかしながらキチン・キトサンは一般の溶媒に不融、不溶であるため成型加工において課題が多い。我々は、キチン・キトサンをナノレベルの繊維に調製し、従来の煩雑な成型加工を克服できる、新規素材キチン・キトサンナノファイバーを開発している。シート状に成形したキチン・キトサンナノファイバーについて、種々の植物病原菌に対する抗菌活性機能を確認していることから、作物の病害防除資材としての利用が期待される。また、キチン・キトサンは植物の病害抵抗性を誘導するエリシターとしても知られるが、そのナノファイバー化により植物の病害抵抗性の誘導能が飛躍的に上昇することから、作物の病害防除剤として利用が可能であると考えられる。
概要図
優位性(従来・競合技術との比較)
・生体機能性天然物質キチン、キトサンの利用:
@カニ、エビ殻などから得られるキチンは膨大な資源量を誇るバイオマスであるため安定的に供給することができる。
Aキチン・キトサンはすでに医薬品、食品などの幅広い分野で利用されており、人体および環境への安全性が高い。
・キチン・キトサンナノファイバーの調製・効果
@キチン・キトサンナノファイバーは、簡単、迅速かつ低コストで大量に生産する調製法が確立されており、事業化の目処は高い。
A水に不溶なキチン・キトサンはナノファイバー化することで水に分散可能になるため、混合や成形などの加工性が格段に向上しており、水分散液としての処理も可能である。
Bキチン・キトサンナノファイバー処理により、植物(作物)に対して強い病害抵抗性を付与することが可能である。
応用分野
農業分野:果実袋、包装フィルム、梱包資材、育苗マット、農薬(抵抗性誘導材)
関連特許
・キチンナノファイバーの製造方法、キチンナノファイバーを含む複合材料および塗料組成物、ならびにキトサンナノファイバーの製造方法(特許第5186694号)
・ナノファイバー化したキチン・キトサンによる植物の病害抵抗性誘導技術(特願2013-227282)
関連論文
・Egusa, M., Matsui, H., Urakami, T., Okuda, S., Ifuku, S., Nakagami, H. and Kaminaka, H. (2015) Chitin nanofiber elucidates the elicitor activity of polymeric chitin in plants. Front. Plant Sci., 6, 1098.
・伊福伸介、阿部賢太郎、上中弘典:(2016) キチンナノファイバーの製造と応用開発、「キチン・キトサンの最新科学技術 ―機能性ファイバーと先端医療材料―」、ISBN978-4-7655-0399-0、pp 125-139、 日本キチン・キトサン学会 編、技報堂出版
・Ifuku S. and Saimoto H. (2012). Chitin nanofibers: preparations, modifications, and applications. Nanoscale, 4, 3308-3318.
・Ifuku, S., Ikuta, A., Egusa, M., Kaminaka, H., Izawa, H., Morimoto, M. and Saimoto, H. (2013). Preparation of high-strength transparent chitosan film reinforced with surface-deacetylated chitin nanofibers. Carbohydrate Polymers, 98, 1198-1202.
その他の関連研究内容
生体機能性天然物質を利用した植物病害制御技術の開発
参考資料ダウンロード
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イノベーションジャパン資料
参考URL
上中弘典-研究者詳細
伊福伸介-研究者詳細
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担当CD
産学・地域連携推進機構 准教授  山岸 大輔
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